No.4 皮から革へ
タイトルがちょっとリアルな感じですが、皮はどうやって革になるのでしょうか?
「なめし」という技術で、皮から革になります。以前、映像で見たことはあるのですが、ここで一度簡単に認識しておこうと思います。
革を柔らかくすると書いて「鞣し(なめし)」。
そのままでは腐敗したり、硬くなってしまう「皮」のコラーゲン繊維組織を、なめし剤を浸透させることで、耐久性や耐熱性を与え、安定性の高い「革」へと加工すること。
昔は、揉んだり、煙で燻したりなどの方法もありましたが、今では、”クロム”や”タンニン”といった、なめし剤が主流です。皮から革になるまでには様々な工程があり、これらの製革に関わる全てを広義で「なめし」と呼びます。
ークロムとタンニンー
堅さと重厚な茶褐色の「タンニンなめし」と柔らかいウェットな「クロムなめし」。
最近では、セレクトショップなどでもよく目にする「ヌメ革」。その説明として、「タンニンなめし」として広く知られるようになりました。タンニンなめし革の無着色、無塗装の革が狭議には、「ヌメ革」と言われています。使い込むほどに革の色と柔らかさが楽しめる、自分で育てる革とも言えそうです。使い方、使った時間分、味わい深くなり、革の独特の匂いも特徴的。
その一方で、塩基性硫酸クロムを使用したなめしが「クロムなめし」。市場に多く流通しているのがこの革。耐熱性・柔軟性・弾力性・染色性などに優れ、実用性が高いのが特徴的。また、両方の特性を合わせた混合なめしも多くあります。
日本の製革は、およそ1500年の歴史があると言われています。その中でも、播州なめしと呼ばれた姫路革製法。代表的であり、現在でもその製法が受け継がれています。
日本の革の産地って、どこなの?
生産量・タンナーの数が共に日本一なのが兵庫県姫路市・たつ地区。良質な水源と河川が多く、水を大量に使用するなめしに向いているため。また、タンナーによって、同じ素材を同じように仕上げるにしても、そのなめしのレシピが違うといいます。
革屋さんには、日本産はもちろんインポートものも多く、本当にたくさんあります。同じ種の革でも、1枚1枚表情が異なります。傷や成長線、肌の細かさなど人間と同じで、一見同じ色でもよく見るとちょっとずつ違います。
だから、革も一期一会。
革かばん製作所nakamoでは、つくるものに合わせて革を選び、なるべく1枚の革を使い切り、つくれる分だけをお届けします。
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